一足の靴から始まったモデルの夢
夢を与えた一足の靴
京都府木津川市に住む25歳の古川晃生さんが、モデルを目指すきっかけとなったのは一足の靴でした。
専門学校時代、友達と立ち寄ったスポーツブランドのショップで出会ったその靴は、初めは「履きにくそう」と思ったものの、試着した瞬間に心が躍ったそうです。
この瞬間が、彼のファッションへの情熱を引き起こし、「デザイナーが込めた思いを表現できるモデルになりたい」との意欲を抱かせました。
本当に、時には身近な物が大きな影響を与えることがあるのですね。
逆境を乗り越えての挑戦
古川さんは、軽度の知的障害を持ちながらも、自分の道を切り開く決意をしました。
特別支援学級での小学校時代を経て、野球に打ち込みながらも進んだ支援学校から、トレーナーを志す専門学校へ。
しかし、そこでは本当の自分を見つけることができず中退。
にもかかわらず、彼はスカウトされたわけでもなく、自ら立ち上がり、東京や名古屋のカメラマンにアプローチを開始しました。
その姿勢は本当に素晴らしく、根気強さが必要な挑戦です。
結果は思うようにはいかず、所持金が50円という苦しい時間もあったことでしょう。
それでも諦めずに努力を続けた、彼の強い意志に感動を覚えます。
インスタグラムでの成功
最後の手段として、中学時代の友人の協力を得て、JR上狛駅での毎晩のポートレート撮影を行い、インスタグラムを通じて発信することにしました。
これは素晴らしいアイデアで、現代のソーシャルメディアを活用する力を感じます。
彼の努力が徐々に実を結び、フォロワーが千人を超え始めた頃には、大学生が運営するファッションショーから出演依頼が入るようになりました。
このようにして、夢の舞台での初めてのランウエーをミスなくこなした彼の姿は、まさに夢を叶えていく過程そのものです。
自己分析と新たな挑戦
もちろん、スランプも経験しましたが、そんな時には「なぜなぜ分析」を行い、自分自身を見つめ直しました。
このアプローチは自己成長において非常に重要です。
なぜこの仕事が好きなのか、どうすれば観客を魅了できるかを考えることで、彼の心の深い部分に触れることができるのではないでしょうか。
そして、新型コロナウイルス禍でも諦めず、憧れのモデルを研究し続けた結果、「ボトモール」というブランドから依頼を受けてパリ・コレクションに参加する機会を得たことは、彼にとって大きな自信となりました。
新しいステージへ向かう古川さん
現在、古川さんは東京の事務所に所属し、さらなる活動の幅を広げるべく、日々新しい挑戦を続けています。
さらに、「木津川市ってどこ?」と他の人から聞かれた経験から、まちの魅力をもっと知ってもらいたいという思いを胸に、「若者会議」にも参加することを決めました。
年内に東京に引っ越し、海外でも通用するモデルを目指すという彼の情熱は、私たちに夢を追い求めることの大切さを教えてくれます。
恩師からの「自分らしく」という言葉をしっかりと胸に、彼はこれからも新しいステージを目指し、突き進んでいくことでしょう。