アズ・ブローマさんと絵本『私は十五歳』
新たな絵本『私は十五歳』が語る真実
2023年8月に出版された絵本『私は十五歳』は、日本で初めて入管問題を正面から扱った作品として、多くの人々の心に響いています。
この絵本の原案を手がけたのは、中東出身でありながら日本に逃れたアズ・ブローマさん。
彼女の物語は、迫害の危険から逃れて日本に渡った彼女の幼少期から始まります。
流暢な日本語を話す彼女が、自身の経験を淡々と語る様子に、思わず引き込まれてしまいます。
迫害からの逃避と新たな生活
アズさんが家族とともに来日したのは5歳半のとき。
彼女は新しい環境の中で、一生懸命に日本語を学び、小学校に通うようになりました。
彼女は「校長先生が一緒に遊びながら教えてくれた」と話し、友達と一緒に過ごした楽しい思い出を振り返ります。
転校生として、新しい友達をすぐに作り、地域の公園で楽しく遊んでいたことは、彼女にとって特別な体験だったのでしょう。
こうした温かい思い出が、アズさんの心に深く刻まれています。
演劇活動を通じたメッセージ発信
アズさんは学校生活の中で、同じ境遇の子どもたちと一緒に演劇活動をしていました。
彼女たちは、差別や社会問題に対する意識を高めるため、演劇を通じて自身の思いを伝えようとしたのです。
パンデミックの時期には、外国人に対する差別が際立ったことを取り上げ、様々な問題を劇にしたことは、彼女たちが自身の状況をどうにかして伝えたいという強い願望があった証拠です。
それぞれの演劇がどのように社会へ響いたのか、ぜひ多くの人に知ってほしいと思います。
アズさんの強い思いと社会の現実
支援者の細田さんは、アズさんの言葉から受けた衝撃を忘れられないと言います。
「私は演劇を通じて、自分たちの民族が平和になることを願っている」と小学5年生の彼女が語ったその瞬間、同年代の子どもたちの置かれた状況との違いに深い感動を覚えました。
彼女の思いは、ただの子どもでありながら、未来を見つめ、社会変革を求めているのです。
この姿勢は、多くの人々に希望を与えると同時に、私たちに何ができるのかを考えさせられます。
結びとしてのメッセージ
アズ・ブローマさんの作品や活動は、私たちに多くのことを教えてくれます。
入管問題や差別と向き合いながらも、彼女がどのように自分の世界を広げていったのか、その背後には多くの支えと努力がありました。
『私は十五歳』という絵本を手に取り、彼女の言葉に耳を傾けることで、私たち自身も大切なメッセージを受け取ることができるでしょう。
彼女の勇気ある行動と、悲しみや喜びに満ちた人生から、私たちも何かを学び取れるはずです。
ぜひ、多くの人にこの物語を広めていきたいですね。