東京のエチオピア正教会での祈りと歌の共演
エチオピア正教会の魅力と歴史
東京の一角、葛飾区や墨田区にあるエチオピア正教会。
この教会は、実はその起源を4世紀にまで遡る、非常に古い歴史を持っています。
信者たちは毎週末、集会を通じてその霊性とコミュニティの絆を深めています。
エチオピアの信仰は、特に聖母マリアを中心に築かれており、地域社会においても深い影響を与えています。
高齢化や人口減少の進行とともに、エチオピア移民は日本においても新たな文化的な豊かさを生み出しています。
週末の集会に潜入する
私たちが訪れたエチオピア正教会の集会は、週末の朝7時半から始まります。
この集まりには、エチオピアからの移民たちが集まり、アムハラ語で聖書の朗読からスタートします。
集会が進むにつれて、参加者たちの歌声が会場を包み込み、まるで異世界に引き込まれるかのようです。
歌い手のアステルさんのソロパートは特に美しく、彼女の声が響くと、周囲からは感嘆の声が上がります。
儀礼のあたたかさとその意味
集会の中で特筆すべきは、儀式に使用される木製の杖と金属製の楽器「ツェナツル」です。
歌い手たちはこれを振ることで、イエス・キリストの姿を表現します。
この時、音楽と仪式が見事に融合し、参加者たちの心を一つにするのです。
すべての儀式が終わった後は、皆でインジェラを囲み、エチオピアの風を感じながら故郷の味を楽しみます。
参加者たちの満足そうな笑顔が印象的でした。
多文化共生の未来を考える
このエチオピア正教会は、ただの宗教的な集まりにとどまらず、多文化共生の象徴とも言える場です。
参加者たちは異国の地でありながら、自分たちの文化を大切にし、互いに支え合っています。
川瀬慈教授は、こうしたエチオピア人たちの集まりから、日本社会における移民の役割や多様性の重要性を再認識することができると指摘しています。
このような場が存在することで、私たちもまた、多様性を受け入れる社会へとシフトできるのではないでしょうか。
エチオピアの魅力に触れる旅へ
エチオピア正教会での体験は、単なる文化や宗教への関心を超え、心のつながりを深めてくれる貴重な機会です。
また、地域住民との交流会も盛んで、まさに日本とエチオピアを繋ぐ架け橋となっています。
皆さんも、ぜひ一度この集会に足を運んで、本場のエチオピア料理や温かい雰囲気に触れてみてはいかがでしょうか。
異国の文化がどのように日本の地で花開き、共生しているのか、その一端を体験できること間違いなしです。